【食品科学科】食品が固まる原理(ペクチン)
1年生では食品が固まる原理について学びます。ジャムが固まる(ゼリー化する)のに必要な三要素のひとつである≪ペクチン≫について実験しました。
【写真1】試験管に果汁(リンゴ、ブドウ、モモ)を絞り出し中
【写真2】果汁と等量のエチルアルコールを入れ、混ぜ合わせたあと、白い綿のようなもの(ペクチン)が見えてくるので、それを観察
果実によってペクチンの多少は変わります。さらに果実の熟度によってもプロトペクチン、ペクチン、ペクチン酸と性質が変化します。
ペクチンは下表のように種類やゲル化の条件が異なります。
種類 | HMペクチン | LMペクチン | |
成分 | 天然、もしくは加工して少量のメトキシル基を除去したもの | pペクチンを加工して大量のメトキシル基を除去したもの | |
ゲル化の条件 | pH | pH2.7~3.5 | pH3.2~6.8 |
砂糖 | 55~80% | ― | |
ミネラル類 | ― | カルシウム、マグネシウム等に反応 | |
水溶固形分量 | 60%以上 | 8~85% | |
備考 | ペクチン量が0.7~1.5% |
ジャム等に利用されているのはHMペクチンです。では、LMペクチンはどんな食品に利用されているのでしょうか?ヒントカルシウムに反応して固まるということです。カルシウムを含む飲み物といえば牛乳。牛乳を入れて固まる食品といえば、そう!代表的なものとして≪フルーチェ≫があります。フルーチェ等に使われているペクチンにはLMペクチンが使われています。
いろんなところに固まる原理が利用されているんですね。